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「…ゴメンね」 ー よく謝るαだなぁ 和真は、もういいってば、と笑った。 「でも、噛む真似は笑えないから もうしないで」 体を繋げながら頸を噛まれたら番になってしまう。 番になったΩは、その相手以外と性交する事が できなくなる。体が受け付けなくなるらしい。 そればかりか発情期の時期はその相手と離れられなく なり、それが叶わないと病んでしまうという。 「もうしない」 「よし!じゃぁ 服着よう」 「あ、今なら俺が言うこときくと思った?」 「ばれた? 」 二人でクスクス笑いあった。 「あれさ、噛むまね? 冗談っていうか… ふざけたわけじゃないんだよ」 「何ソレ、余計怖いんですけど」 「欲情して噛みたくなった。初めてだよ…こんな事 ヒートのせい? 」 「俺のせいかよ」 和真は笑いながらつっこんでくる。 「俺、発情期もうほとんど抜けてると思うよ 柊生さん1人でラット起こしてるだけ」 「おいコラ、人を犬みたいに言うな」 言いながら和真のわき腹をくすぐった。 「あっ!ちょっと!やめてっ だって本当だもん」 背中を向ける和真を後ろから捕まえる。 くすぐられて息が上がった和真が落ち着く頃 柊生はもう一度、もうしないから、と 独り言のようにつぶやいて、肩にキスした。 和真も うん、と うなずいた。 背中から和真の手を握って、甲の傷の横に口づける。 わざとチュッと音を立てて。 「早く治れ~」 呪文のような言葉が聞こえてきて、 和真はクスクスと笑った。 キスは首筋、肩、背中と続いていく。 仰向けにされて、重なるように柊生が上になる。 肘をついて体を少し浮かし、体重がかかりすぎない よう気をつかいながら。 こんどは和真の頬をプニっと柔らかくつまむ 唇の端の傷を眺め 「ハゲおやじめ…」 と、眉間にシワをよせた。 和真は吹き出して笑った。 「何を言うかと思えば…」 「カズの口好きなんだ もうこんなとこに怪我するなよ~」 「フフ、ハイハイ」 そしてまた優しくキスをして、電気を消した。

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