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…
柊生を送り出し、定まらない思考のまま
キッチンへ向かう。
昨日の柊生のようにシリアルを皿に出して
冷蔵庫から牛乳を取り出す。
ー え、さっきの何だ?
何しに戻ってきたの?
キス?まさかキスのため?
思い出して顔が熱くなる。
柊生の嵐のようなキスの感覚が消えない。
牛乳をそそいでる間も。
昨夜のあれこれも、勝手に頭の中でリプレイ
され続けて、気づくとボーとしている。
心地よい気だるさが全身を包んで、動きが
緩慢になってしまう。
「まだ柊生さんが 中に入ってるみたい…」
口の中で呟かれた言葉は、牛乳をそそぐ音よりも
小さかった。
軽い朝食の後は窓を全開にして寝室の掃除をした。
今日は掃除にはうってつけの快晴だ。
ついでに妹さんの部屋も掃除機だけかけた。
キミちゃんはリビングや水回りの掃除しか
契約に入っていないから、手はつけない。
柊生に、なぜやってもらわないのか聞くと
誰かを連れ込んだ翌日など、色んな痕跡のある
部屋を掃除されるのは気まずいから、と言っていた。
自分の部屋くらい自分で掃除できる、とも。
昨日キミちゃんに掃除機の場所や、洗濯機の
使い方も聞いていたから、今日は少しは動ける。
体は疲れていたけど、動いてないと頭の中の
柊生がエロい事ばかりしてくるのだ。
洗濯機の中には、昨日深夜に柊生が洗濯機に
放り込んでいた洗濯物が乾燥まで終って入った
ままになっていた。
それもきれいに畳んで一息つくと、少しは
脳内の柊生の存在も小さくなっていた。
午前中は求人情報サイトなどを見て
ゆるゆると時間が過ぎて、お昼はキミちゃんが
作ってくれていた惣菜で食事をとった。
食べ終わる頃、柊生からメッセージが届く。
(今日早く切り上げられるから、夜は外で食べよう
6時頃には帰れるから、出る準備だけしておいて)
ー やった!外に出られる!
心が弾んだ。
(分かったよ!やったー!)
と、素直に返信すると、すぐに既読になり
またメッセージが届く。
(一緒なら 大丈夫)
その言葉を見て、顔が笑ってしまう。
少し考えて返事を送った。
(いい子で 待ってるよ)
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