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19.Hit the floor ※
やっと自分の部屋の前だ。
ー 拷問のような時間だった
片手で和真を支えながら玄関を開けて
部屋に入る。
脇の下に両腕を入れて抱きかかえるようにして
壁に押し付けて唇を重ねる。
和真はトロンとした目でキスを受け入れるものの
反応は鈍い。
「カズ、寝ないで」
柊生はクスクス笑いながら和真の頬を優しくつねる。
ー せっかく家について思う存分
イチャイチャできるのに!
「ん~」
眉を寄せて目が開ききらない和真を、抱える様にして
寝室に連れて行き、ベッドに横たえる。
柊生は和真の上に股がって、すぐに服を脱ぎ始めた。
「ちょっと、ちょっとヤメテ」
和真が手を伸ばして柊生の胸を押す。
「?どうした?」
ベッドで拒否されるのは初めてで、柊生は
キョトンとして和真を見つめる。
「…シャワー浴びたい」
「は?」
初めてシた時だってそんな事言わなかったのに
なんだ 急に、、柊生はワケが分からず呆然とした。
「どいて」
困惑する柊生を無視して和真はベッドから
降りて浴室にむかう。
部屋に残された柊生はしばらく静止状態になり
ハッとして自分も浴室に向かった。
「一緒に入ってもいい?」
浴室のドアの前で一応お伺いをたてると、中から
ダメ!っと大きな声が返ってきた。
「また、襲われちゃうからヤダ!」
「!! …うぅ」
そんな事しないよ、と言い返そうと思ったが
先日の自分の行動に反省点がある為 言い返せない。
「すぐ 終わるから待ってて」
最後は可愛く頼まれ、仕方なくリビングへ行き
水分をとって自分を落ち着かせた。
宣言通り和真はすぐに出て来て、ダイニングに
座っている柊生におまたせ、と声をかけて
冷蔵庫から水を出す。
生乾きの髪が和真の目を隠して表情が見えない。
「じゃ、俺もシャワー浴びてくる」
「ん、先に使っちゃってゴメンね」
そう言って謝ってくる和真は、だいぶ酔いが覚めて
いるように見えた。
首筋や頬は、まだ赤かったけれど。
酔っぱらって甘えている和真が
ベッドでどうなるのか楽しみだったのに…と
がっかりしながらシャワーを浴びた。
ー やっぱりこれは宅飲みだ!
うん! 次はそうしよう!
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