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20.ながい夜

ー 眠れない。。。 暗い部屋の中で、1人 爛々と目を光らせ 天井を見つめる。 しんと静まりかえった部屋の中は、時計の秒針の 音だけが響き、早く眠れと急かさしているようだ。 さっきのは夢だったんじゃないだろうか? かわいい和真が、あんな…あんな…。 まるで風俗のようなテクを見せつけてくるなんて まさかお金に困って働いてたんじゃ…。 アホな心配が頭の中を占領する。 首だけ動かして隣を見ると 和真は柊生に背を向けて横になり 先程から身動きひとつしない。 寝息も聞こえないほど静かで、背中からでは 眠っているのか起きているのか分からなかった。 「かずま」 起こしたら可哀想だな、と思いつつ 小さな声で名前を呼んでみると、ほんの少し時間を あけて、ん?と返事が聞こえる。 腕を和真の腰に巻き付けるようにして抱くと その腕に和真の手が重ねられた。 「今まで何人くらい付き合った?」 「プッ…なに急に」 「…気になって」 「そっちは?柊生さんこそ俺は何人目?」 厳しい質問返しがきて動揺する。 数えた事なんてなかった。 ほとんどが体の関係だけの薄い付き合い ばかりだったからだ。 婚約者がいることを伝えて、了承した相手とだけ 関係をもってきた。 「5.6…7人目くらいかな?」 適当な事を言ってごまかした。 和真は、あ、そ、とやはり適当な返事をする。 「…で?」 「はい」 「今、話し終わらせようとしただろ」 「ふっ…ばれた?」 「…コノヤロ」 ふざけて上半身裸のままの肩を噛む。 和真がイタッと声を上げてクスクス笑った。 「…する方も、される方も1人だけだよ」 「ひとり?俺以外に 1人だけ!?」 「うん」 ー 嘘だろ…? ってゆうかする方も経験あったのか…。 数えきれない、、とか言われたらショックが強すぎて ぶっ倒れそうだと思ったけれど、1人と言われるのも なかなかの威力だった…。 ー 全部ソイツが教えたの? 「いつ頃まで付き合ってたの?」 こんなこと聞きたい訳じゃない、過去の男の事なんて 聞きたくないのに聞いてしまう。

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