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「…どうかな10代の頃だし3、4年前かな? あ、そういえば、付き合ってた訳じゃないよ 何人もいるセフレの中の1人が俺だっただけ 俺も別に気にしてなかったから… …よく考えたら今とそんなに状況変わらないかも」 ー が ーーーーーー ん ! 和真がすごい毒を吐いてクスクス笑っている! その遊び人の、浮気男と自分を一緒にして笑ってる! …カズ本人は毒を吐いた認識はないのだろう。 思わず抱きしめる腕に力を込めた。 「俺、今はカズとしか してない! 今までも…複数同時になんて1度もない!」 ー 婚約者がいるくせにと言われたら 何も言い返せないけど… 「苦しいってば、ごめんごめんそうじゃなくて…」 「どういう意味?」 「その人の特別な存在じゃないのは分かってて エッチしてるところが一緒」 ー もっとショックだ… 「…特別だよ」 何の説得力もない言葉を吐いてしまう。 和真は答えなかった。 嘘ではないのに自分でも言っていて ひどく 軽い言葉だな、と思ってしまう。 「カズ…」 「もう寝ようよ」 カズに拒否された。 嘘は聞きたくないと言われた気分になる。 「おやすみ、柊生さん…」 「…おやすみ」 そして部屋は また静けさに包まれた。 事故の加害者と被害者で始まった関係を どうにか繋ぎ止めようと 我ながらズルい方法で無理やりつなげて 気づいたら ややこしく絡まって、ほどけない。 もどかしい。。 そもそも和真はどうなんだろう。 今の会話から想像すると 絡まっていても気にしない。 わずらわしくなったら切ればいい… そんな風に思っていそうだ…。 少しずつ一本ずつでもほどいていけば 目指す形が見えてくるだろうか。 和真はそれを望んでくれるだろうか。。

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