78 / 234
…
「…どうかな10代の頃だし3、4年前かな?
あ、そういえば、付き合ってた訳じゃないよ
何人もいるセフレの中の1人が俺だっただけ
俺も別に気にしてなかったから…
…よく考えたら今とそんなに状況変わらないかも」
ー が ーーーーーー ん !
和真がすごい毒を吐いてクスクス笑っている!
その遊び人の、浮気男と自分を一緒にして笑ってる!
…カズ本人は毒を吐いた認識はないのだろう。
思わず抱きしめる腕に力を込めた。
「俺、今はカズとしか してない!
今までも…複数同時になんて1度もない!」
ー 婚約者がいるくせにと言われたら
何も言い返せないけど…
「苦しいってば、ごめんごめんそうじゃなくて…」
「どういう意味?」
「その人の特別な存在じゃないのは分かってて
エッチしてるところが一緒」
ー もっとショックだ…
「…特別だよ」
何の説得力もない言葉を吐いてしまう。
和真は答えなかった。
嘘ではないのに自分でも言っていて ひどく
軽い言葉だな、と思ってしまう。
「カズ…」
「もう寝ようよ」
カズに拒否された。
嘘は聞きたくないと言われた気分になる。
「おやすみ、柊生さん…」
「…おやすみ」
そして部屋は また静けさに包まれた。
事故の加害者と被害者で始まった関係を
どうにか繋ぎ止めようと
我ながらズルい方法で無理やりつなげて
気づいたら
ややこしく絡まって、ほどけない。
もどかしい。。
そもそも和真はどうなんだろう。
今の会話から想像すると
絡まっていても気にしない。
わずらわしくなったら切ればいい…
そんな風に思っていそうだ…。
少しずつ一本ずつでもほどいていけば
目指す形が見えてくるだろうか。
和真はそれを望んでくれるだろうか。。
ともだちにシェアしよう!