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ほとんど眠れないまま朝がきた。
珍しく和真が先に起きて無言でそっと
部屋を出ていく。
ー 昨日シなかったから元気なのか。。
しばらくして、柊生も起き上がりリビングに行く。
和真はリビングで水を飲んでいた。
「おはよう、起こしちゃった?」
「いや、起きるとこだったから」
柊生もキッチンに並んで水を飲む。
「俺が仕事行くとき、ちょっと一緒に出てくれる?」
「ん?いいけど、どこ行くの?」
「ヒミツの部屋」
「何それ、怖っ」
いつものように軽く食事をとって、出かける
準備をしていると、洗面所で着替えている
和真がうわっっ!と叫んだ声がした。
叫んだ理由が想像できている柊生は、気にせず
ネクタイを絞めながら笑う。
ドタバタと和真がパンツ1枚の姿で
寝室へ駆け込んできた。
「こら、やったなっ!」
と柊生を睨む
「気づいた?」
「気づくわ!!」
「背中にもあるんだよ、知ってた?」
柊生は和真を寝室のクローゼットにある
鏡の前に連れていき、後ろをむかせて
ほら ココ、と肩甲骨の上あたりに刻んだ跡を
指差す。
和真は首を後ろに向けて鏡を見て
うわ、ホントだと驚く。
昨日なかなか眠れず、悶々として
つい出来心で和真の体にキスマークをつけた。
背中につけてみて和真が起きなかったので
仰向けにして、鎖骨の下と胸の上にも
跡を残した。
「まぁ見えない所だし困らないでしょ」
柊生は、にやっと笑って和真の頭をポンポンと
叩いた。
悪いことしないようにね。
知らない男に会いに行くんだから。
これくらいの牽制かわいいもんだろ。
「いいけどさ…これ、どのくらいで消えるの?
病院とか行きづらいじゃん」
ー あ、そうだった。
「首も治ってきたから、もういいけどさ…
今度 仕返ししてやる!」
和真は、覚えてろよ!と 毒づくと
柊生の肩を強めにパンチして部屋を出ていった。
そんな仕返しだったら、いくらでもしてくれて
かまわないよ。
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