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…
エレベーターの中でも柊生はあれこれ注意した。
飲み過ぎないように、2人きりにならないように
絶対に帰りは連絡をするように。
何かあったら自分を頼るように…。
和真は薄く笑って、ハイハイと返事をしながら
聞いた。
過保護な親のような柊生の言葉にも
なぜかちっとも嫌な気にならなかった。
駐車場から出ていく柊生の車を見えなくなるまで
見送って、柊生の部屋に戻った。
リビングの大きなソファーにゴロンと横になる。
ー 俺たちの間にはお金しかない?
先ほどの柊生の言葉を思い出す。
和真が柊生の所に身を寄せているのはお金のため?
柊生が普通の?例えば政実のような普通の
サラリーマンだったら、柊生とこんなことに
なってなかった?
ー …分からない、全然想像できない!
考えても分からなかったけど
それだけだ、と言われるのは ひどく悲しかった。
あまりにも悲惨な状況の自分に、柊生が同情して
世話をやいてくれているのは分かっていた。
発情期にかこつけて関係をもってしまい
それに責任を感じているのも。
体を繋げたことで、恋愛をしているかのように
錯覚してしまっていることも。。
そうと分かっていて柊生に甘えている
自分が情けない。
ー 早く仕事を見つけて
パパから卒業しなければ!
和真は自分の頬をバンバンと両手で叩いて
ソファーから立ち上がった。
この関係が何なのか分かるのは、ちゃんと自分の
足で立って、歩き出してからになる。
そう思った。
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