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傑は相づちをうちながら、静かに話しを聞いていた。 呆れられると思っていたけど、意外にも傑は真面目な 顔で話しを聞いてくれた。 「俺変だよね? バカなことしてる自覚はあるんだ」 柊生が肉を焼きながら自嘲気味に笑うと 傑も笑った。 「まぁ バカだけど変でもないよ」 「誰かに執着するとかアホみたいだと思ってたのに」 「そういえば柊生君 そういう事今まで無かったかもね なんか 好みも変わったね」 「? そうかな」 「柊生君が気に入る子って、華奢だけど 筋肉質っていうか…陸上とかやってそうな 健康的な美人だったじゃん? でも、あの子って…まぁ美人だったけど 色白で 猫背で、どう見てもインドアって感じじゃん」 「……」 「どうかした?」 急に不機嫌そうな顔を見せる柊生に気づいて 傑が訊ねる。 「そういえば傑君、、和真の裸見てたね」 「は、はだか!?」 「あーもう、、落ち着いたら傑君のクリニックへ 発情期の事 相談に行かせるつもりだったのに 行かせたくなくなってきた!」 「柊生くん落ち着いてよ、バース科は体 診ないし ってゆうか専門外って言ってるのに無理矢理 連れてきたの柊生くんだからね!?」 そうだけどさ…と、言いながら柊生が肉とご飯を 1度に大量に口に詰めこんだ。 その時テーブルに置かれていた柊生の携帯が ブルブル震えながら着信を知らせる。 「あ、カズだ」 口をモグモグしながら柊生が携帯を凝視する。 「子猫ちゃん何だって?」 傑が冷やかすように言っても柊生は気にしない。 「約束どうり11時の迎えでいいって 何時でもいいって言ったのに 俺に気を使ってるんだ、コイツ」 言いながら顔がニンマリしている。 たったそれだけのメッセージでそんなに 幸せそうな顔になれるアンタ すごいわ、と 傑は突っ込みたくなったが言わなかった。 「子猫ちゃんだと思ったんだよね俺も…」 柊生が携帯を操作しながら、ため息をつく。 「何それ、虎かなんかだったの?」 「うん…フェラが凄いんだ」 傑がコントのように派手にビールを吹き出した。

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