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…
「初恋!? …って、この年で初恋なわけないだろ」
「あれ?違った?俺は恋愛してる柊生君
見たことなかったから」
「クッソー 言いたい放題言いやがって~
そもそも 会ってまだ1週間もたってないのに?
これが恋?」
「1週間もたってないのにね」
傑はビールを一口飲んで、指先で唇を拭った。
「でも、その恋は前途多難だね
杏菜の事もそうだけどさ、東園 グループの
跡取りの相手が高卒無職って…柊生君の身内を
納得させるのは時間と気合いが必要だよ」
「…あぁ だろうな」
「彼もさ…和真君? 萎縮しちゃうかもね」
「まぁ、それは関係が発展したら考えるよ」
「…そうだね!さすが優等生
ちゃんと冷静じゃん」
茶化すなよ、と笑ながら柊生はグラスの残りを
飲み干した。
「柊生君…もしさ…
もし和真君がとんでもない悪魔でさ、全部芝居で
柊生君のお金目当てで近づいて来たんだとしたら
どうする?」
「それがさ、一番怖いんだ」
「…だよね」
「いや、そういう意味じゃない」
柊生はその日一番自信ありげに笑った。
「それでも全然かまわないって思ってるんだよ
金なんかで釣れるなら安いもんだって
そんな風に思う自分が1番怖いんだ」
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