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22.Touch Me Now ※

すっかりできあがった政実を無理矢理ひっぱって 店を出た。まだ飲もうよ~と、抱きついて 甘えてくる。 「お前は明日も仕事だろ!いい子で帰りなさい」 政実の家はここから歩いて帰れる距離だ。 「駅まで送る~」 「平気だって、そっちこそ1人で帰れる?」 「大丈夫、大丈夫」 まぁ足元はしっかりしてるから大丈夫だろう。 「そういえば これ…」 政実がバックの中からストールを取り出す。 「おぉぉ!サンキュ~」 渡されたストールは和真の物だった。 以前、政実の家に原付で遊びに行った時に 巻いていって、そのまま一泊してしまい 翌日は暖かかったので、忘れて帰ってしまった。 「これ ないと原付寒いんだよな」 「それ、ウチにある間、勝手に借りてたんだけど マジ暖かかったから同じヤツ買った、色ちがい」 「だろ?いいよなコレ」 言いながら自分の首に巻き付けた。 「そういえば村山が新年会やろうって言ってたよ ネギの都合聞いとけって」 「俺は今のところいつでもいいよ、無職だし」 苦笑いで答えると、政実が、だよな、と笑った。 「じゃぁそろそろ行くわ ゴチソウサマデシタ」 わざと大袈裟に頭を下げる。 「おう!またな」 政実は最後に和真の頭をぐしゃぐしゃに撫でて 帰って行った。 和真は ぐしゃぐしゃにされた頭を直しながら駅へ 歩いた。 駅までは歩いて5分程度。少し郊外の駅だが駅前は 飲食店やカラオケ店などが建ち並び、それなりに 賑わっている。 ロータリーにはタクシーや、迎えの車がならび ちょっとした渋滞を作っていた。 和真はキョロキョロと辺りを見回して 柊生の車を探しながら歩いた。 バックを探って携帯を出そうとしたら 十数メートル先で、短くクラクションが鳴る。 見慣れた車を見つけて、ホッとして駆け寄ると 柊生が運転席から降りて助手席のドアを いつもの慣れた様子で開けてくれる。 「おかえり」 「ただいま」

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