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23. I seek
「…ま、かずま」
呼ばれて目を開けると、柊生が心配そうに
見下ろしていた。
「あ、ごめん 俺寝ちゃってた?」
和真が目を閉じたまま聞くと柊生が頭を撫でてくる
「いや、5分くらいしか 経ってないよ
起こしてゴメン、完全に落ちる前に
体流した方がいいと思って」
ー 寝てんのか 気絶してんのか分かんなくて
怖かった。
「うん、シャワーして帰らないとね」
「いや泊まりにしてるから、そのまま寝たらいいよ」
そう言うと和真は少しだけ目を開けて柊生を見た。
「え、明日仕事でしょ?」
「うん、だから ここから直行するよゴメンね」
「俺はいいけど…柊生さん大変だね…」
和真が心配そうに呟くと、柊生はなぜか嬉しそうに
微笑んでこめかみにキスをした。
「平気。 ほら、寝ちゃう前にシャワー」
柊生が和真の両手を引っ張って起こし、
腕を肩にかけさせて、 よっ !という掛け声とともに
抱き上げた。
嫌がって暴れると思ったのに、和真はすんなり
受け入れて、大人しく浴室まで運ばれた。
ー よっぽど疲れてるのか、眠いのかな。
嫌がるどころか目を閉じて幸せそうに笑っていて
柊生の胸が熱くなる。
体も髪も全部 柊生がきれいにしてやり、ドライヤーも
かけて、またベッドまで抱いて戻る。
さすがに戻る時には、もういい、と笑ながら拒否された
けれど、柊生が強引に抱き上げるとクスクス笑いながら
受け入れた。
バスローブだけを羽織って布団に潜り込む。
裸で眠りたかったけど、盛ってしまいそうで
やめておいた。
明かりを落として抱き合って、お互いの
温もりを感じてホッと息をつく。
「…おやすみ 柊生…」
和真が唇をゆっくり押し付けるようにキスをして
満足したように、顔を柊生の胸に埋めた。
柊生も和真の顔を包んで瞼にキスを返すと
和真が少し笑ったような気配がする。
「もう一回だけする?」
半分冗談で言ってみる。
腕の中で肩を揺らして笑ながら
しない、と
声が返ってきた。
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