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翌朝は柊生に6時頃起こされた。 自分はここから直で出社して、和真はタクシーで 帰らせようと思っていたけど、やっぱり心配だから 自分が送ると言い出した。 「うー… 過保護…」 和真は眠くて目が開かない。 腰やら腿やら痛いしダルい。 「この時間なら帰って俺も着替えられるし」 そう言って、柊生は いそいそ身支度をする。 「タクシーでも電車でも…俺、大丈夫だよ」 「でも、なんか跡ついてるし… エロいオーラが出てるし」 「跡?」 「ほら」 柊生が和真の腕を掴んで手首を指差す。 「げ、キモい」 両手首に残った、昨夜のオアソビの跡。 痣とも、傷とも言いがたい赤紫の痕が ぐるりと手首に残っていた。 足を見てみると、足はそうでもない。 和真は責めるように柊生を横目で睨んだ。 「カズは色が白いから目立つよね」 柊生は悪さをして、ごまかそうとする子供のように 笑って、視線を泳がす。 「カズが悦がって暴れるから…!」 「ヨガッテ ナイシ!!」 「…証拠あるし…」 和真は口を開けたまま絶句した。 「見たい?」 「見ない!今すぐ消して!!」 部屋を見回して携帯を探す。 「もったいないから、もうちょっとだけ!」 「もったいないって何だよ!変態!」 「へ、へんたいっ!?」 和真は柊生のスーツのポケットに手を突っ込んで 中を探る。 「こら、落ち着け!」 柊生が笑いながら和真の腕をつかまえた。 「ハイハイ、おしまい! 遅刻するから、行くよ」 かっちりスーツに身を包んで運転をする柊生は 夜の彼と同じ人間とは思えない。 セクシャルなものとは無縁のクリーンな好青年に 変身だ。 陽の光の中では、昨夜の事は全部夢だったような 気さえしてくる。 視線を落として手首を見ると 醜い痕が夢じゃなかった事を教えてくれた。 運転席からそっと手が伸びてきて、和真の手首を そっと覆った。 「ごめん、痛い?」 視線は進行方向を見たまま心配そうに聞いてくる。 「いや、不思議と痛くはない」 そのまま恋人繋ぎで手を握られて 手の甲に口づけされた。 「そういうの外で恥ずかしいからやめて」 和真は手を振り払って 自分の股の間に手を挟むようにして隠す。 「中じゃん、車の中」 誰も見てないのに、と柊生が からかうように笑った。

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