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ー やってやった!やってやった! エレベーターから降りて部屋に戻ると 和真はクスクス笑った。 柊生の呆気にとられた顔を思い出すと 笑いが止まらない。 ちょっとしたイタズラ心だった。 ー これでちょっとくらい、仕事中に 俺の事を思い出すかな… そんな事を考えていた。 エレベーターの中で1人柊生は固まっていた。 ー 防犯カメラがね…あるんですよ和真くん 警備員室には24時間人も居るんですよ。。 笑いが込み上げてきて、口を覆って笑った。 「変なヤツ…」 いつの間にか巻き込まれて、翻弄されて 分かっていてもそれが不快じゃない。 ずっと昔からの友人のように。 そこにいるのが当たり前みたいに。 和真がいない日常が、もう想像できない。 こんなアホみたいな小さな幸せが ずっと続いたらいい…。

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