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「柊生さんの友達って、イケメンのαばっかりだね」
「三井はβだよ。まぁだいたい間違われるけど」
柊生が少し不機嫌そうに返す。
「βには見えないね」
「カズ あーゆう美形がタイプなんだ?」
疑うような目で柊生が和真を見た。
「んーそうでもないかな
同じ人間じゃないみたいじゃん…?
並んで歩くのが怖くなる」
「言い方!」
「付き合い長いの?」
「小、中と一緒で、アイツは高校から別。
社会人になってから再会したんだ」
「高校から一緒の大崎さんと入れ違いだね」
以前、大崎との関係も聞いたことがあった。
柊生は うんそうそう、と適当な感じで答えた。
「街はすっかりクリスマスだなぁ」
柊生が街路樹のイルミネーションを眺めながら
一人言のようにつぶやく。
「1年早いねぇ…」
一緒にイルミネーションを眺めて歩く。
「この季節にイルミネーション見てる人たちって
皆 恋人同士に見えてくる」
和真がキョロキョロ回りを見ながら言うと
柊生が そうだな、と笑った。
「俺たちはどんな風に見えてるのかな…」
半分ふざけたように和真が聞くと、柊生が和真の
顔を見てニッと笑った。
「そりゃ、恋人でしょ」
そう言って和真に向かって手を差しのべる。
その手をとろうか、和真が一瞬迷って立ち止まると
柊生が振り返って こら、と声をかけた。
そして強引に和真の手を握って、自分のコートの
ポケットにその手をしまった。
「あのさ…和真は何にも気にしなくていいから」
突然何を言われたか分からず柊生を見る。
その顔は優しく笑っていたけど
どこか淋しそうに見えた。
「悪いのは全部俺だから」
「何…言ってんの?」
「カズが…どんなつもりでも…
俺は気にしないから
もう少しここに居な?」
静で、穏やかな声で言われて、心臓が跳ね上がる。
ー やっぱり聞いてたんだ。聞こえていて
即答できない俺を庇ってくれたんだ
あの時どうして何も言えなかったんだろう。
柊生を悲しませてしまった気がして…。
戻せるものなら時間を戻したい!
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