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28.Fly me ※
「なにそれ、急にそんな素直になっちゃって
調子狂う…」
ー あ~ ヤバイ
嬉しくて おかしくなりそう!!
「朝みたいな変なケンカしたくないからね」
「…そうだな」
大事にしよう。
「これからどうなるのかな…」
呟いて和真が杏菜の去って行った方を見つめた。
「とりあえず、後の事は俺が上手くやるから
カズは何も心配しないで。杏菜の事を気にする
のもおしまい!」
「…うん、そうだね」
そう言って軽く柊生の肩に頭をもたれた。
「よし!じゃぁ帰ってエッチしようか!」
柊生が子供のように笑って言った。
「こら、いい雰囲気がぶち壊し~」
言いながら和真が体を離す。
「ゴメン、ゴメン! つい、
でも、本当!はやく帰ろう!」
言いながら繋いだ手を引いて立ち上がる。
和真は笑いながらハイハイと、言って従った。
「柊生さん電車でしょ?」
「そうだよ、だから出たとこでタクシー乗ろう
タクシーでイチャイチャ帰ろう」
コートを着ながら柊生がウキウキ話す。
「俺なんも考えてなくて、うっかりバイクで
来ちゃったから、別で帰らなきゃ」
「えぇ!?置いて帰れば?」
「やだよ、取りに来なきゃいけないの面倒だし」
柊生がムムーッと眉を寄せる。
「…座って、ちょっと待ってて」
「は?」
訳がわからず呆然とする和真を置いて
柊生は会計をしてラウンジを出ていってしまった。
ー トイレかな?
そう思って柊生が残したコーヒーを飲んでいると
柊生が お待たせ、と言って戻ってきた。
「じゃぁ行こうか」
そう言ってラウンジを出て、エレベーターホールへ
向かう
「?そっちからも帰れるの?」
地下で駅まで繋がってるのか?と考えていると
柊生がエレベーターの上のボタンを押す。
「平日だから空いてた」
「…まさか」
「せっかくだから泊まって行こう
こっからなら俺 職場も近いし」
そう言って笑う柊生の前でエレベーターが開いた。
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