136 / 234

脱衣室で服を脱いでいる和真をつかまえる。 抑えてきた衝動が解き放たれて…。 突然乱暴に抱きすくめられて、よろけた和真が あっと 声を上げた。 顔を捕まえて深いキスをすると、それだけで 息の上がった和真が背中へ手を伸ばして ぎゅっと しがみついてくる。 唇を離して顔を見ると、酔った様に虚ろな目で 柊生を見つめかえした。 「? どうした」 柊生が異変に気づいて声をかける。 和真の体が小刻みに震えていた。 「寒いの?」 震える手を握って聞く。 「ううん、大丈夫」 言いながら和真自身も握られていない方の手を 自分の目の前にかざして見た。 「今日、柊生さんのフェロモンがキツすぎて… 心と関係なく、体がビビってる…フフ」 「キツすぎ?」 「…ん…このままセックスしたらゴムしてても 妊娠しちゃいそうだし、噛まれそう… …って感じのヤバイ フェロモンが出まくってる」 言いながら和真がクスクス笑う。 笑って自分を落ち着けようとしてるのだろう。 柊生も合わせて、 それは怖いな、と笑った。 「落ち着くまで休む?」 和真は首を振って たぶん落ち着かないし、と笑った。 「もし持ってたらさ、お風呂の後でいいから 一回 抑制剤飲んでくれる?」 発情期でもないのに発情してるみたいに 体の芯が熱くて…このまま挿入されたら あっという間に上り詰めて、意識が飛びそうだ。 「今飲んでくる」 先入ってな、と言い残し柊生はバスルームを出た。 和真は言われた通り、服を脱いで先にシャワーを 浴び始めた。 体を洗っていると 飲んだよ、と言って 柊生が戻ってくる。 「ありがと」 和真は言いながら今まで使っていた シャワーを手渡した。 浴槽にダバダバとお湯を入れながら 中に入り 膝を抱えて座る。 その様子を見て、プッと柊生が笑った。 「風呂が大きすぎてなかなか溜まらないっ」 寒そうに小さくなる和真の肩へ、柊生がシャワーを かけて温めた。 それから自分も一緒に浴槽に入って、和真を後ろから 抱きかかえる。

ともだちにシェアしよう!