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…
「どう?まだ怖いかな」
そう言って確かめるように
できるだけ優しく和真の両手を握った。
和真は体を柊生にあずけて笑う。
「怖くない最初から。体が反応してるだけ
心配しなくて 大丈夫だよ」
震えは止まらなかった。
まるで薬の切れた薬中だ。
「このままエッチして平気かな…
俺こんなこと初めてだよ」
柊生が心配そうに和真の腕を擦る。
ー そんなセックスと関係ない行為も
全部刺激になっちゃうんだけど…
「平気… でも今日はたぶん長くもたないよ…」
言いながら和真は目を閉じた。
和真の腰に当たる柊生がグリグリと押し付けられて
欲情が伝わってくる。
和真はそれが嬉しくて、今すぐ挿れて、と
口走りそうになるのを唇を噛んで耐えた。
避妊しろと言っておいて、そんなこと考えるなんて
どんだけ淫乱なんだ、と恥ずかしくなる。
変わりに柊生の手を自分の中心に導いた。
柊生は導かれるまま、和真を握ってゆるゆると
上下する。
お互いの下半身が浸かる程度に溜まってきたお湯が
ちゃぽちゃぽと音を立てて揺れている。
和真が体を少し横に向けて、キスをねだると
柊生が絡みつくようなキスをくれる。
唇を貪りあいながら、お互いを握って扱きあう。
「ンン…うン…!」
今日は声も耐えられない。
快感で身体中が震えて
痙攣しているみたいだ。
ー あぁ 本当にヒートみたい!
おかしくなるっ
「…出る!」
言葉と同時に和真の欲が水中に放たれて
うっすら白く濁る。
「あっゴメンッ!」
和真は慌てて体を起こして、浴槽の栓を探した。
それを止めるように、柊生が強い力で和真を
抱き寄せて、ふるふる震える背中を撫でた。
「今日は感じやすいんだな」
耳元で囁くように言われて
もともと熱っぽかった体がさらに熱くなる。
和真は隠すこともできず、柊生の胸に頬を
くっつけたまま、ガクガクと何度も頷いた。
柊生は嬉しそうに笑って 素直で可愛い、と
額にキスをくれる。
「俺も 我慢できないベッドへ行こう」
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