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…
「もしも…」
(ちょっと、お兄!何しでかしてんの!?)
「美織?」
和真の方を見ると、驚いた顔で脱いだばかりの
服をソロソロと集めだす。
(杏菜さんちから婚約解消したいって連絡あったよ!)
「…その事か…」
ー 杏菜…確か今はニュージーランドだろうに
わざわざ今日!クリスマスの今日!
連絡させるなんて…
嫌がらせにもほどがある…!
(わが家、皆パニックよ!)
「 …杏菜何て言ってきた?」
(……お兄の夜の営みについていけないって…)
柊生がブッと吹き出した。
(じい様カンカンよ?結婚するまでは
体の関係は持つなって言ったのにって!)
柊生は額を手で覆ってため息を吐いた。
(どんなヤバいプレイしたのよ、バカ!)
「美織、今ドコ?」
(? 家だけど?)
「全員いる?じいちゃんも父さんも母さんも」
(当たり前でしょ?じい様は怒り疲れて寝たわよ)
ー 良かった。なら今日誰かがウチまで
乗り込んでくる、なんて事は無さそうだ
「じゃぁいいよ。またこっちから連絡するって
言っといて。今日はもう出ないからな」
(ちょっと、待っ…)
美織が騒ぐのを無視して電話を切った。
ついでにコードも抜いておく。
固まっている和真の頭をポンと撫でて
パンツ1枚の格好でリビングの携帯の電源も
落としに行く。
「ダイジョゥブ…?」
寝室に戻ると、和真がすっかり酔いの覚めた表情で
心配そうに聞いてきた。
ー クッソ~ 杏菜め!やってくれたな!
「大丈夫!杏菜の最後の嫌がらせだ
わざわざクリスマスに婚約解消の
連絡してくるなんて…」
足早にベッドに戻って和真を押し倒し
首筋に吸い付く。
「…家の人何だって?」
「…別に…ただ驚いてるだけ」
さっきまでの熱を取り戻そうと、ちょっと乱暴な
愛撫で電話の件を忘れさせようとする。
「ふふ…」
小さく笑う和真の声が聞こえて、顔を見た。
「あ、ごめん…さすが杏菜さんって思って」
「こら、集中しろ」
「…ップ、フフ…それ言ったら負けでしょ」
ダメだ和真が完全にツボって笑いが止まらない。
確かに “集中しろ” なんて言ってる時点で
自分が1番集中できてない。
いや、そもそもエッチするのに集中って…。
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