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目を閉じて和真の反応を待っていると 腹の上で和真がモソモソ動き出した。 何をしているのかすぐには分からず うっすら目を開けて様子を窺うと 少し前屈みになって和真はゆらゆら動いていた。 「…?」 「…はぁ…はぁ…んっ」 ー まさか…… 和真は自分でゆるゆると自分のモノを扱いて 喘いでいた。 「か、ずま…くん?」 ー この子…人の腹の上で何してるのっ!? 「うっ…ぅん~…タリナイ…」 「え、?」 「…しゅう…」 「うん?」 切なげに眉を寄せて言いながら、柊生の手を取ると 熱く立ち上がったモノを強引に握らせる。 そのまま柊生の手の上に自分の手を重ねて ゆっくりと上下した。 「はぁ…」 柊生が意思をもって自ら扱きはじめると 満足そうに目を閉じる。 てっきりエロエロなフェラをされると思っていた。 実は初めてフェラされてから軽いトラウマで それとなく和真からのフェラを避けていた。 このテクが誰かに仕込まれた物だと思うと… たった1人のために身に付けたテクだったのかと 思うと、単純に快感を楽しめない気がして 恐かった。 もしかしたら和真もそれに気づいていたのかも。 理由は分からなくても、なんとなく その行為を避けられていると…。 和真は普段から、すごく勘が鋭くて柊生の気持ちに 敏感だった。 ー でも もう忘れよう。 会ったこともない過去の男に嫉妬なんて 馬鹿らしい。 そして、もったいない! 柊生が起き上がって、反対側に和真を押し倒すと それだけで和真が嬉しそうに微笑んだ。 「フェラしてくれないの?」 鼻が触れあう距離で聞くと 和真は一瞬驚いた顔をして、すぐにフッと笑った。 「してほしい?」 「ほしいな」 「…むり」 「…ナゼ…」 「もう、我慢できないし」 和真が両足を柊生の腰に巻き付けてくる。 「また、今度ね」 耳許で囁いて、耳たぶを口に含まれ。 肌がゾワっと粟立った。 ー もう、俺の負けでいいや。

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