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和真は毛布でくるまれた中で唇を噛んで 体を固くしていた。 ー 柊生が俺のせいでこんな風に 侮辱されるなんて 死にたい。死ねばよかった。 「咥えんのも得意なんだろ?なぁ!!」 「こら、黙れ!」 警察官が数人で男を押さえつけた。 柊生はゆっくり振り返ると 冷ややかな目で男を見た。 「それ以上 コイツを侮辱したら殺す」 柊生が言葉を放った瞬間 トイレの中の空気が変わった。 男はもちろん、そこにいた警官も肌に刺さる ピリピリした刺激を感じて言葉が出なくなった。 柊生はそれを無視して外に出た。 外には、パトカーや救急車を見に来た野次馬で ちょっとした騒ぎになっていた。 人の目から和真を隠すようにして トイレのすぐ外に停められていた救急車に 柊生は素早く滑り込んだ。 救急車の中で寝かされても すぐに柊生が手を握ってくれる。 「良く頑張ったな」 柊生がいつもの柔らかい声でそう言うので 止まっていた涙がまた溢れ出した。 「いいよ。 泣いていい」 そんな事を言わないで。 言われなくても止まらないのに。 柊生ごめんね。 本当は 紳士で、優しくて、礼儀正しくて 大声で人と言い争ったりするような人間じゃ ないのに。 あんな事 言わせてごめん。 色々ごめん……。 「しかし、また顔にケガかよ いつになったら綺麗な顔が見れるんだ」 そう言って、和真の前髪を恐る恐る撫でながら 柊生が笑った。 「ゴメン」 そう言って涙でグシャグシャのまま和真も笑った。

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