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…
「犯人、初めてじゃないらしい
何度も被害届出されて起訴されてて…
でも、証拠が足りないか、大金積んで示談に
なってるらしくて…
現行犯はこれが初めてで…
たぶん警察は未遂じゃない方が都合がいいんだ」
「なるほどね」
「俺、もう頭パンクしそう
カズの言ってることを信じてるけど
犯人が未遂で大した罪にならないのも
我慢できない…!
このままじゃ ただの傷害罪だ…」
「番が成立したレイプの現行犯だったら
1発で刑務所に入れられるもんね」
「アイツ…和真に誘われたなんて言ったんだっ」
「……」
「そんなはずない!絶対に…!!
………あんな目に遇わせて…ゆるせない!」
「柊生君、落ち着いて」
肩を抱いて擦った。
「ゴメン…」
傑は いいよ、と できるだけ優しく言った。
「……まだ警察が来る前に、和真言ったんだ
間に合ったよ、、って……
来てくれてありがとうって」
「……うん」
柊生が涙をもう一度脱ぐって、時計を見た。
「俺、これから警察行かなきゃいけないんだ
車も警察にあって…カズが寝てる間に行って
きたいんだ…少しでも早く連れて帰りたい」
「分かった彼に着いてるよ。何かあったら
連絡する」
「本当にごめん…頼む」
「…あ、柊生くん抑制剤持ってる?」
「…?持ってるけど」
「飲んだ方が気持ち落ち着くよ。
今威嚇フェロモン出すぎてるから、それじゃ
警察の人も話ししてて気分悪くなっちゃうよ。
俺でも頭痛くなってきたし」
傑は苦笑いで言った。
「…気付かなかった。分かったよ飲んどく
いろいろありがとう」
そう言って柊生は病院を出ていった。
処置室に戻り、和真の様子を見た。
点滴も、もうすぐ終わりそうだ。
柊生が居たときよりも表情が強張っている。
眉間が寄り、寝返りも多くなり、額に粒の汗が
浮かんでいた。
ー 眠りが浅くなってる…
柊生君のフェロモンで落ち着いてた?
傑がハンカチでそっと汗を拭くと
和真がそれに反応して静かに目を開けた。
「どっか痛い?」
傑が聞くと、眉を寄せたまま首をふる。
「あれ…大崎さん、何で…?」
「柊生君から出動要請が来た」
「…ッフ なにそれ」
和真が力なく笑った。
ー 思ったよりも落ち着いてる…。
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