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柊生の緩慢な指の動きに合わせて、和真が腰を揺らす。 ー いいぞ…そのまま 快感だけ感じてたらいい。 安心したら落ち着いて眠れるかもしれない。 怖い夢なんて見ないで…。 「…はぁ…はぁ…もうぃぃ 入れて」 「限界?」 和真がコクンとうなずいた。 柊生は片手を伸ばしてサイドテーブルから ゴムを取ると、少し考えて、それを和真に渡した。 「つけて」 指を中から抜かず壁を押し広げるように 動かすと、和真が切なそうに眉を寄せる。 「できるでしょ?」 柊生が優しい声でそう言うと 和真はうっすら目を開けてうなずいた。 呼吸を乱しながらゴムの袋を開けて 柊生のそこに、するするとそれをつける。 「上手」 そう言われて和真がまたクスッと笑った。 Ωが濡れる体質で良かった。 指で十分ほぐされて、ねっとり湿ったそこに 柊生はが自分をピッタリと当てると 和真が身構えて一瞬体を固くする。 「 カズ 目を閉じないで」 その言葉に和真が目を開けて柊生を見た。 それが合図だったように、柊生がゆっくり自分を 押しこんでいく。 和真が声を上げずに口をうすく開けた。 抵抗はなかった。いつもの和真だ。 ソコは柊生の形を覚えているように しっかりフィットして、絡み付いてくる。 和真の中に最後まで収めると 柊生が口を重ねて、唇を吸った。 キスで目を閉じた和真の目からポロっと 涙がこぼれて流れた。 「どっか 痛い?」 柊生が少し驚きながら両手の指で それを拭った。 和真はフワッと笑って首を小さく振った。 それを見て柊生もホッとして一緒に笑った。 「何の 涙だよ」 「…ね、何だろ?………幸せ、かな」

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