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部屋に戻るとリビングから携帯の音がした。 自分の携帯は振動だけにしているから 鳴っているのは和真の携帯だ。 柊生は軽く舌打ちして 和真の眠る寝室を通りすぎ、リビングへ向かった。 携帯はテレビ横のシェルフで充電器に 繋がれたまま鳴っていた。 画面を見ると “ 政実 ” の文字。 柊生は ため息をついて、少し考え 受話ボタンをタップした。 (ネギ!大丈夫?) 「……政実くん?はじめまして佐倉です」 (……え?) 「和真、具合が悪くて寝てるんだ」 (具合が?…大丈夫ですか? 何かあったんですか?) 「……何かって?何?」 (え、えっと…昨日…) 「昨日?」 (……やっぱり、いいです。 あらためて電話します。ねぎ…し君によろしく) 開口一番に 大丈夫?なんて聞いてくるのは 何か知ってるからだ…。 まさか あの野次馬の中にいたのか? 「昨日、和真 乱暴されたんだ。 幸い未遂で済んだけど…少しケガをして…」 (乱暴!? やっぱり…) 「やっぱりって? どういう事?」 (実はさっき連絡もらったんです… 昨日行った居酒屋の大将から) 「うん」 (店に警察が来て、昨日居酒屋に来ていた客同士で トラブルがあって、居酒屋での様子を色々 聞かれたって。 その内容がどうも、俺たち…っていうかネギの事 だったらしくて…大将俺の携帯しか知らないから 心配して俺にかけてきたんです) ー そういうことか…。あの男、居酒屋でカズに 誘われたって言ったんだな。 警察はそれが 事実か確認の為に店へ…。 和真も居酒屋にいたヤツに襲われたと、警察に 話していた。 「和真は、とりあえず無事だよ」 (…良かった。アイツ…あ、多分犯人… 俺たちよりずいぶん早く店を出たから油断してた っていうか…もう、忘れてて… そうじゃなければ、俺ちゃんとあなたが来るまで ネギと駅で待ってたのに…駅まで送って、満足して 置いて帰っちゃって…)

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