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…
「平気。起こしちゃった?」
「俺、最近カズが隣から居なくなると
勝手に目が覚めるんだ」
「はは、スゴいな」
「あれ?なんかちょっと雪降ってない?」
「今気づいたの?夜ふってたんだね
昨日より景色が白い」
和真は言いながら立ち上がった。
それを見た柊生が棚のかごの中からタオルを取って
広げる。
「はい、おいで」
「子供か!」
突っ込みながらも、抵抗はしない。
さっむっ!と声を上げながら柊生の広げた
タオルに飛び込んだ。
「明けましておめでとう」
「おめでとう。まさかの12時に二人そろって
爆睡って…」
「…ね、でもすっごくよく寝れたんだ
夢も見ずに爆睡…」
「なら良かった」
柊生が朝食にビュッフェをとっていたので
ホテルのレストランでしっかり朝食をとった。
新年ということで、お雑煮や、お節料理も
食べられた。
「あー贅沢…。」
食後にコーヒーを飲みながらため息をついた。
柊生がそれを見てプッと笑う。
「なんか笑うとこあった?」
「いや、割りと普通の朝食だった
気がするけど?」
「柊生何言ってんの?贅沢なのは時間でしょ
きれいな景色を眺めながら、美味しいもの食べて
美味しいねって言いあえる “今”が贅沢なんだよ」
「おぉ!いいこと言うね!」
「…ばかにしてる…」
「してない、してない
カズが何でも嬉しそうにするから
俺も嬉しくなっちゃっただけ
そんなに気に入ったなら、また来ようよ
今度は違う季節に。そうだな…GWとか!」
「……いいね、今度は緑が綺麗だろうね…」
「だよな!もう予約しちゃおうか?」
そう言われて和真は慌てて首を振った。
柊生が不思議そうに首をかしげて 何で?と
聞いてくる。
「こんな贅沢…年に何回もするなんて
俺にはとても現実だと思えない、怖い
なんか悪い事がおきそうで…」
「おきないよ。和真」
柊生が真面目な顔で和真を見つめていた。
「そんな考え方…もうおしまい!」
「……はい」
柊生に真顔で諭されて、何も反論できず
子供のように大人しく返事を返した。
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