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第一章・15話
そして、冬。
隣で眠る葵の顔を見ていると、また体が疼いてきた。
そっと瞼にキスをする。
「ん……」
身じろぐ葵の、今度は唇にキスをした。
舌を入れようと顔を傾けたが、逃げていってしまう。
「ダメ。明日1限目にテスト、あるから。寝坊できないから」
「すぐ済むよ」
「ダメ……」
あとは、背中を向けてしまった。
ダメと言われれば、もっとやりたくなってくる。
だが、どんなに小突いても葵は許してくれなかった。
「うぅ」
悶々としながら公彦は夜を過ごし、そのまま朝を迎えることになってしまった。
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