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第一章・25話
「あぁッ! 公彦、イくぅッ! 出ちゃうぅッ!」
「待て」
腰に当てていた手を外し、公彦は葵の口を塞いだ。
足音がする。
誰かトイレに入ってきたのだ。
「……っく」
動くことをやめ、公彦と葵は耳で周囲を伺った。
一人、入っている間に、二人、三人と増えてゆく。
葵は、もう泣きそうだった。
せっかくイイところだったのに!
あと少しで、イケたのに!
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