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第一章・28話
「……んッ!」
小さく、本当に小さく葵が啼いた。
腰が震えている。
脚が引き攣り、その後力が抜けた。
どうやら、イッてしまったらしい。
公彦は体をぐっと前に倒し、葵の耳元で囁いた。
「葵、すごく可愛い」
ぶるぶると震えている葵。
ぎゅうと眼を瞑り、緊張に耐えている。
羞恥に耐えている。
公彦の苛めに、耐えている。
ようやく、トイレから全員が去って行った。
ほっとした葵の気の緩みを、公彦は再びかき乱しにいった。
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