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第二章・7

「ここ、空いてますか?」  お昼の学食で、コロッケ定食を食べていた肇は、ふいに声を掛けられた。 「あ、はい。どうぞ」  顔を上げ、おや? と思う。  席は、他にも充分空いているのだ。  なぜ、選んで俺の前に? 「鳴滝 肇さん、ですね」 「ええ、まぁ。そうですけど」 「実は僕……、以前からあなたに憧れてて……」  そこで肇は、ようやく胡散臭げな視線をやめた。  すばやく観察眼に切り替え、眼の前の学生を眺める。    さらさらの髪は、綺麗に整えられている。  眉カット済。  髭は薄い、というか、無いに等しい。  清潔感溢れる服からは、ほのかに良い香りが。  爪は短く切ってある。  手荷物は、コンパクトにまとめている。

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