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第三章・2
(ああ、もうこんなこと辞めたい!)
今回のアンソロのテーマは、『痴漢』。
秀郎は『憧れの先輩に電車の中で痴漢される女子高生』のマンガを描いた。
描きながら、様々な思いが頭を渦巻いたものだ。
本当は、憧れの先輩との純愛マンガを描きたい!
痴漢されておいて、最後には許しちゃう女の子なんかいるはずないだろ!
こんなことがまかり通るの、マンガの中だけだからな!
早くプロになって、同人から足を洗いたい!
そう、秀郎はいわゆる『エロ同人』作家だった。
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