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第三章・4

「決めた。今度のイベントでは、個人サークルで参加する!」  帰宅し、秀郎はそう決意を固めていた。  先輩と後輩が恋に落ち、ハッピーエンドで結ばれる。  そんな全年齢向けの、青春学園純愛マンガを描くんだ!  初心に帰ろうと、パソコンもデスクの隅に追いやった。  白いケント紙に、耐水性インク。  丸ペンに、スクリーントーン。  全て、高校生の時に使っていた愛用品だ。  秀郎は、高校時代からサークルでマンガを描いていた。  

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