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第三章・15
「何で、描けないんだぁあ!」
そこへ、携帯の着信音が鳴った。
「……柳瀬だ」
ラインには、こうあった。
『遠藤先輩、一コマくらい描けましたかぁ?』
まるで担当編集者のごとく、毎日こうしてラインやメール、電話をよこす美知だ。
サークル棟で真っ白いままの原稿を眺めてはため息をつく秀郎を、励ましてくれる。
それは、本当にありがたい。
ありがたいのだが……。
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