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第三章・17
もう、見ちゃいられませんよ!
久々に秀郎の部屋を訪ねた美知は、そう言って口を尖らせた。
「描く、描かない、以前に! 遠藤先輩には、しなきゃならないことがあります!」
「何だよ、それ」
「取材です!」
取材? と秀郎は顔を上げた。
「先輩、明日空いてますか?」
「……マンガ、描く」
「描けないくせに」
「うっ」
空いてるなら、と美知は身を乗り出した。
「デートしましょう、僕と!」
「デ、デート!? 柳瀬と!?」
「明日10時に、大学の南門で待ってますから」
絶対来てくださいね、と言い残し、美知は去って行った。
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