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第三章・19
10時、大学南門。
秀郎は5分前に到着したが、すでにそこには美知が待っていた。
「遠藤先輩、来てくれたんですね!」
嬉しい、と笑顔の美知が、やけに可愛い。
「あ、ちょ、ちょっと待って!」
秀郎は、スマホに素早くメモをした。
「え~っと、『先輩、来てくれたんですね!』……っと」
「あと、『嬉しい!』もです」
「うん」
改めて、二人で向き合った。
「解ってくれたんですね、デートの意味を」
「ああ。取材は確かに大切だ」
じゃあ、と二人並んで歩き始めた。
「で、どこに行く?」
「まずは、神社へ行きましょう」
デートコースにしては変わってるな、と思いつつ、秀郎は美知に従った。
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