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第三章・23

「神社って、人ごみと違って手を握ったりしやすいのも特徴なんです」 「なるほど」  確かに、すれ違うカップルは誰もが手を握っていた。 「あと、あれとか」 「あれ?」  美知がそっと指さす方を見ると。 (キ、キスしてやがる!) 「街中と違って、人の目が少ないですから」 「お、おう」  しかしながら、久々に生キスを目の当たりにした秀郎だ。  美知を見る眼が、わずかに変わり始めていた。

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