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第三章・24
そして、ランチを。
「俺、奢るよ。何か食べたいもの、ある?」
「先輩、それはいけません!」
先輩のマンガの設定では、二人は高校生でしたよね、と美知は言った。
「高校生なら、基本あんまりお金は持ってません。割り勘です!」
「そ、そうか」
そして高校生らしく、と並んでファーストフードに入った。
さらに高校生らしく、お得なセットメニューを頼む。
「バーガーか。何だか久しぶり」
「美味しいですか、先輩」
「うん、割と美味い」
じゃあ、と美知は小首をかしげた。
「一口、味見させてくれませんか?」
(そう来たか!)
もちろん、すぐにメモを取る秀郎だ。
そんな彼を、美知は頷きながら見ていた。
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