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第三章・25
「次はここです」
「おっ、ゲーセンか。一緒に対戦ゲームとかするのか?」
解ってないなぁ、と笑う美知だ。
「ゲーセンでやることと言えば、プリクラです!」
「プリクラ!?」
「はい、並んで並んで」
「ちょっと待て。ゲームはしないのか?」
そんなもの、と美知はしょっぱい顔をする。
「お金がかかるでしょう」
「そうか……」
大学生の今は、仕送りとバイトで割と金銭に融通が利く。
しかし、高校生の頃は……。
(あの頃は、画材を買うために必死で小遣い貯めたりしてたっけ)
そして、マンガばかり描いていた。
本当に、デートをするのは2億年ぶりくらいの勢いなのだ。
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