84 / 102

第三章・29

 キスは、ほんの短いかわいいものだった。  それでも、立派なキスには変わりない。  秀郎は、少々興奮していた。  そんな彼の背中を、美知がそっと押す。 「先輩、ちょっと部屋へ上がっていきませんか?」 「いいのか?」  散らかってるけど、どうぞ。  そう通された部屋は、小綺麗に片付いていた。  ものは多いが、きちんと整理されている。  そんな印象の、美知の部屋だった。 「何か飲みますか? コーヒー?」 「あ、いや。そんなに喉乾いてないから」  それより……。

ともだちにシェアしよう!