87 / 102
第三章・32
「はい、時間切れです~」
「なぁ、誰だよ。教えろよ」
それは、と美知は瞼を伏せて下を向いた。
「……遠藤先輩です」
「ええッ!?」
でも俺は!
イケメンでもないし、モテモテでもないぞ!
「遠藤先輩、優しいから。人気あるの、自分で気づいてますか?」
「そ、そうなのか?」
「顔立ちも、眉整えたり、スキンケアしたりすると結構イケてます」
「そうかなぁ」
「髪型変えると、垢抜けますよ」
「う~ん」
ならば、柳瀬の言うとおりにビジュアルに力を入れてみるか?
そしたら俺も、イケメンのモテモテに……。
ともだちにシェアしよう!