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第三章・33
「でも、そうしたら先輩、今よりもっとモテるようになりますね。僕とデートも、してくれなくなりますよね」
「いや、それは無い」
え? と美知は顔を上げた。
「俺がどんなにモテるようになっても、柳瀬とのデートは最優先事項だよ」
「先輩……」
「柳瀬」
夕日の射す室内で、二人は改めてキスをした。
今度は、人に見られる心配もないし、二度目なのだ。
秀郎はちょっぴり大胆に、美知の舌を舐めた。
くちゅくちゅと、静かな音が響く。
離れた時には、美知の頬はすっかり上気して赤くなっていた。
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