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第三章・34
「もう……。先輩、デートとか2億年ぶりじゃなかったんですか?」
「キスの仕方は、ちゃんと覚えてるよ」
しん、と静まり返った室内に、エアコンの音だけが聞こえる。
(どうしよう。僕の方から誘ったら、退かれるかな)
(どうする? 俺がリードすべきなのか?)
しん、と静まり返った室内に、時計の音だけが聞こえる。
先に口を開いたのは、秀郎だった。
「あの、さ。部屋デートでエッチまで持って行く流れって、どう描けばいいと思う?」
「次回は、全年齢向けだったんじゃ……」
「例えば! 例えばの話! 今後の作品の参考に!」
「例えば、ですか」
再び、部屋は静まり返ってしまった。
今度口を開いたのも、また秀郎だった。
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