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第5話

「どうしたんだい?君が表情を変えるなんて珍しいね?」 橋羽は何があっても基本的には無表情な子供だった。 そんな橋羽が珍しく怒った様な表情を浮かべているのが意外だったので、体を起こして顔を近くで見ようと体制を整える。 「貴方という人は…」 「え?ちょっと!やめなさい!」 橋羽が大きくため息をついた。 そしておもむろに私の着物の合わせ目に手を差し込んで来たかと思うと、左右にガバリと広げられる。 「こ、こら!大人をからかうんじゃない…」 いきなりの事に驚いて固まる私の胸をまじまじと観察している橋羽を我にかえって押し退ける。 急いで着物の合わせ目を整えつつ橋羽から距離を取った。 「私も一応CLUBから来た身です。これが普通の話し合いでついた痕で無いことはすぐに分かりますよ?」 「えっ…」 いつの間にか後ろに立っていた橋羽に後ろからするりと首筋を撫でられ、鎖骨の下当たりで手が止まる。 そこを人指し指でちょんちょんと叩かれると、ぶわっと顔に熱が集まって来るのを感じた。 お客様の家でしていた情交の名残をまだ子供の橋羽に見付けられてしまった事が恥ずかしく、居たたまれなくなる。 「み、見苦しい物をみせてしまってすまない…」 私は着物の合わせ目をぎゅっと握り、俯き加減に立ち上がろうと腰を浮かせた。 しかし、再び橋羽に腕を取られたかと思うと床に押し倒される。 私の足の間に自分の足を差し込んできて腰を下ろした橋羽は制服からベルトを片手で器用に外して、私の手首を一纏めにした。 「何の冗談かな…これを外しなさい!」 「先程言いましたよね。私はCLUBからここへ派遣されて来たんですよ?することはひとつでしょう?」 橋羽はいつもの無表情に戻り、学ランの上着を脱いでいく。 私はそれに焦りを感じ何とか手の拘束を外そうともがくが、易々と外れるはずもなく橋羽が学ランの下のYシャツの前を寛げるのを見ていることしかできなかった。 なんとか拘束から逃れようと手を動かす。 「浩司!これを外しなさい」 「凄んでも、全然こわくないですよ?」 「こら…やめなさい…」 するりと再び着物の合わせ目に手が差し込まれる。 先程とは違い、帯をほどかれ襦袢まではだけさせられてしまった。 私は身体をよじらせて抵抗するが、足の間に橋羽が居るせいで上手く動けない。 「こんなに沢山痕を付けてきて…恥ずかしくないんですか?」 橋羽はお客様に付けられた痕を1つずつ指でなぞると、首筋に顔を寄せてくる。 相手がまだ子供だと言うことで、罪悪感が大きくなんとか押し返そうとするのに思いの外橋羽の力が強くて上手くはいかない。 「いっ!」 無言の攻防の末に、首筋からチリッとした痛みの後にチュッというリップ音が聞こえてきて、私は何をされたか悟った。 すぐに頭から冷水をかけられたみたいに全身が凍る。 「まぁ、定番なんですが他の男の痕は消していきます」 「そんな…冗談だよね?」 「私は至って真面目ですけど?」 橋羽が顔を上げニヤリと笑う顔はもう一人前の男の顔だった。 その顔に一瞬見惚れてしまった自分に嫌悪する。 実は橋羽の顔は結構好みの類いだったのだが、如何せんまだ子供と言うことで全くストライクゾーンには入って居なかったのだ。 そんな大人びた表情に、この店に来たときのあどけない見た目とは裏腹に大人びた子だと感じた事を思い出した。 一緒に生活していて数年経ったが、大人びた表情をしていても何処か悪戯っぽく見えて今の方がよっぽど子供らしいかもしれない。 そんな事を考えて現実逃避していたが、それが気にくわなかったのか又しても顔が近付いてきた。 「んっ…」 全身の痕を書き換えられる頃には、私の息も絶え絶えで身体は完全に反応していた。 流石にお客様の所でしてきたお陰か、下半身はなんとか反応せずに済んでいたが身体が小刻みに震えてしまっている。 「随分と厭らしい下着を着けてるんですね。なんだ…ここは反応してないんですか」 「っ!!いい加減にしっ!!ひゃうっ」 下着姿をまじまじと見られたかと思うと、その下着をさっと下ろされ今度は性器をまじまじと見られてしまった。 私は身体を起こそうしたことろで、橋羽が私のモノを口に迎え入れる。 「ヒッ!!」 予想外に襲ってきた熱く、ぬるりとした咥内にブルリと身震いが起こる。 自分が奉仕する事はあれど、奉仕される事は今まで無かったので思いの外反応をしてしまう。 「やめっ…はなし…」 ぷちゅっぷちゅっという音を立てながら口から出し入れされ、裏筋や鈴口も攻められ下半身に熱が集まってくるのが分かる。 離して欲しくて拘束されている手で橋羽の頭を押すが、力が入らず髪の毛に指を絡めているだけになってしまう。 「よかった。ちゃんと反応するんですね」 「やだ…はなして…」 口を離した橋羽は反応して天を仰いでいる私のモノの根元をきゅうっと締め付ける。 そのまま反対の手では人差し指で裏筋を刺激しながら鈴口を押しつぶされる様にされてしまう。 「CLUBでは道具相手でも嫌で仕方がなかったですが、生身の人間は楽しいですね」 「この…こら!そこは…」 まるで新しい玩具を見付けた子供の様に私のモノを弄ぶ橋羽にふつふつと怒りが沸いてくるが、橋羽の指が孔の上を往き来するのを感じて身体にギクリと緊張が走る。 なんとかこの状況から抜け出そうとするのに、体は快楽を求めていた。 「あっ…こらぁ…指入れるなぁ」 「それは素の話し方ですか?いいですね…あなたを乱してるって気持ちになれます」 孔に指をゆっくり埋められると身体が勝手に悦び、もっと欲しいとでも言うように腹の底が疼いてくる。 しかし、わざとなのかなかなか感じるところを触ってくれない。 「膣がうねってますけど、気持ちいいですか?」 「こんな事…冗談ならやめなさい…」 「ふ~ん。まだ自分が淫乱だって認めないんですか…」 「なっ…!!」 ジジジッとスラックスのジッパーを下げ下着からは、いきり立った橋羽のモノが顔を出した。 年の割りに大きな橋羽のペニスに、ついついくぎ付けになる。 「どうしたんですか?そんな物欲しそうな目で見て…」 孔から指が引き抜かれ、私の上に跨がると唇に先端が当てられ口の中に唾液が勝手に貯まってくる。 少し汗の様な香りと、橋羽の熱に駄目だと分かっていても目が離せない。 「いいんですか?出しちゃいますよ?」 橋羽がゆるゆると私の孔を弄っていた指で竿をしごき始めると鈴口には先走りが滲んでくる。 先走りが唇についたところで、少しなら良いかもと自分に言い訳をして唇についた液体を舐め取った私はもう駄目だった。 「あーあ。本性でちゃいましたね」 「んっ、んちゅっ」 縛られた手で橋羽にむしゃぶりつく。 成長途中のペニスは今までに味わった事の無い様な味わいで正に甘露だった。 私は身体を丸め孔を指で刺激しながら橋羽を頬張る。 「なんだ。簡単に認めちゃうんですか?」 「うむっ…」 くぷくぷと口を出し入れする橋羽のペニスと、指を出し入れする刺激に頭の芯が痺れてきてどんどん周りの事がどうでも良くなってくる。 「は…しばね…」 「欲しいですか?」 口を離して橋羽の名前を呼ぶと、無表情がゆっくりと歪む。 弧をかいた口の端を見た私もゆっくりと微笑んでいた。 「こうじ…もう…」 「もう降参ですか?」 身体は疲労感でいっぱいなのに、情交の余韻で下半身が勝手に痙攣している。 橋羽が寝室に使っている自室に引きずりこまれ、さっと押入れから出された布団の上に転がされる。 腕を拘束していたベルトは外され、腕は首に回されてしまった。 改めて今の状況を考えると顔から火を吹きそうなほど恥ずかしかったのだったが、橋羽の手が優しく私の頭を撫でるのでそれで思わず身体を力を抜いて橋羽に抱きつく。 それから橋羽は年下とは思えぬような手さばきで私の身体を弄んでいった。 流石バカラが派遣してきた人材だけあるなと感心したほどだ。 「お客様と、どちらが良かったですか?」 下半身は自分が出したものと橋羽が出したもので汚れ、顔は涙や唾液でぐちゃぐちゃだった。 こんなに乱れたのは、私が“薔薇の棘”という二つ名で呼ばれはじめた最初の頃以来ではないかと頭の片隅で思うほど橋羽は手練れていた。 満足げに笑う橋羽にこっちの方面は向いていなかったと以前言われた事を思い出したが、今更ながらにあれは嘘だったのでは無いだろうかと思えてならない。 しかし、頭を撫でる腕が心地よく橋羽が自分よりうんと年下で、まだ義務教育も終わっていない子供だと言うことを忘れそうになっていた。 「これからもよろしくお願いしますね“ご主人様”」 橋羽の子供らしからぬ、ニヤリとした笑みに少し不安を感じながら私は意識を手放した。

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