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All I Want for Christmas Is You②

会話をポツポツしながらユウジと向かったのは3階にある玩具店だ。 クリスマス前だからか、当たり前のように混んでいる。 しかも、思いっきり女のガキ向けの店だった。 プリンセスの服だの、ドレッサーだの、ままごと用のキッチンセットだのがピンクを基調とした店内にディスプレイされてて、カホを連れてきたら狂喜乱舞しそうなところだ。 うん、これはかなり勇気がいるな。 「外で待ってていい?」 「ダメだ。何の為に連れてきたと思ってんだ」 取ってきて、とスマホで商品の画面見せてくる。財布と一緒に無理難題を出された。 「いい年した男が・・・」 溜息を吐いてやった。 「だからよけい入りにくいんだよ」 「ヤダよ。お前が父親だろ」 しばらく押し問答して、 「もういい。行くぞ」 ユウジが俺の手を捕らえる。 え、と思った時には意識はそこに集中していて、俺は店の中に引っ張り込まれていた。 ユウジはあらかじめ予約していたみたいで、携帯の画面を見せながら店員と話していた。 まだ手首にユウジの手が巻きついている。 なんだこれ。野郎2人でこんな店で手を繋いでいるとか、はたから見たら絶対不審者だろうに。それなのにどうかしている。 ちょっと嬉しい、とか。 周りなんて気にならないくらいそこをガン見してしまった。 店員が品物を持ってきて、ユウジの手が離れるのは名残り惜しかった。 「あれ?これ、110cmのやつですよね?」 ユウジはタグを確認している。 「はい、サイズにお間違えないですか」 渡されたのは子ども用のドレスだった。 淡い紫の光沢のある生地に、ふんだんにあしらわれたレース、膨らみのある袖とスカートが本格的だった。 「いや合ってますけど、思ったよりデカいな・・・」 確かに今のカホが着たらダボつきそうだ。 ユウジは会計を済ませると、口元を硬らせながら店を出た。 「どうすっかなあ・・・」 ラッピングされたドレスの入った紙袋に目を落とす。 「別にこれでいいじゃん」 「いや、着られないだろ」 「カホを連れてこればよかったんじゃねえの」 「それはナシだな。サンタさんからのプレゼントってヤツだ」 なるほど。 「アクセサリーとか付けたらどうですかってレジの子は言ってたけど・・・」 「じゃそれでいいじゃん」 「もうああいうとこに入る気力がない」 ユウジは肩を落とした。 「・・・とりあえず、見て回る?」 これを取りにきたらさっさと帰る予定だったし。まだ時間はある。 「そうだな」 ユウジは少し疲れた顔で、でも口元を緩めて頷いた。俺もにやけそうになる。理由はなんであれ、まだ2人でいられるのが嬉しかった。 フロアの3階に子ども向けの雑貨屋だの服屋だのがあったけど、これといったものがなかった。というかどれがいいか分からなかった。 女物なんてどれがなにやらサッパリ分からないし、いい年した野郎2人が分かるはずもない。それにハッキリ言って内心浮かれまくって上の空だった。

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