3 / 107

第一章・3

 神 雅臣(じん まさおみ)が、その少年に出会ったのは、15歳の初冬だった。    ぱさぱさの髪に、青白い肌。  痩せて骨ばった身体。  何より印象深かったのは、その瞳だった。  ものを映してはいるが、脳まで、心まで届けてはいないまなざし。  そんな身体を、瞳を晒して少年は音楽室の床に転がっていた。

ともだちにシェアしよう!