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第一章・35
「ピルは?」
「ちゃんと飲んでるから。だから」
荒い息の空は、蕩けそうな眼をしている。
雅臣は、そのまなざしにぞくりとした。
初めて会った時は、虚ろな眼をしてたっけ。
では、もっといい表情にしてあげよう。
生のまま、雅臣は空に挿入した。
「あ! ひあぁん! あ、あぁ、ああッ!」
若い生気に満ちた雅臣の分身が、空を刺し貫く。
「恥ずかしい……。僕、イッちゃった……」
「挿れただけで?」
「だから、恥ずかしい、って言ってるだろ……」
何人もの男に犯されても、一度も吐いたことなんかなかったのに。
雅臣はそんな空に優しく微笑むと、耳元で囁いた。
「動くよ。覚悟して」
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