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第二章・7

 瑞のお菓子作りは、なかなか止まらなかった。  クッキー、パウンドケーキ、ピーチパイ……。 「今日は、フルーツタルトを作ってきました」  お昼の中庭で、いつものように瑞と涼真はお菓子を広げた。 「今回は、何があったの?」  スウィーツを食べながら涼真が瑞の悩みを聞くことも、もはや恒例行事だ。 「今日、初めて一人で取引先へ行くので。それで緊張してて」 「ああ、午後からだったね」  瑞が入社してから、数か月が過ぎていた。  これまではお目付け役として涼真が一緒に外へ出ていたが、今日から一人立ちだ。

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