48 / 107

第二章・8

「大丈夫。白河くんは俺なんかより、ずっとしっかりしてるから」 「そんな……。不安で仕方がないんです」  見ると瑞の顔色は、あまり良くない。 (そういえば、お菓子を作るのは真夜中だったっけ)  眠れない、と起き出して作るのだ。  睡眠不足が祟っているに違いない。 「少し眠れば? 時間になったら起こしてやるから」 「いいんですか?」  いいよ、と笑顔で答えた涼真だったが、次の瞬間どきりとした。  瑞は、涼真の肩にもたれて目を閉じたのだ! 「あ……」  仮眠室で、と思っていた涼真に、これは不意打ちだ。 (ダメだろ、これは! 可愛すぎるだろ!)  しかし、安らかな瑞の寝顔を見ると、叩き起こすのも可哀想だ。

ともだちにシェアしよう!