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第二章・14
「武藤さん、お疲れ様です。お忙しい所、すみません」
「どうした? 何かあったの?」
クライアントがごねている、との報告を聞いた涼真の返事は早かった。
「大丈夫、引き受けてから帰ってきて」
「でも、無料で。それに、3日だなんて」
「後始末は、俺に任せていいから」
「でも……」
「高橋が手品を使ってたみたいだけど、俺だってそれなりのマジックは得意だよ」
「すみません」
瑞は、涙声だ。
「いいからいいから」
「すみません。すみません」
何度も謝り、瑞は電話を切った。
「これは、明日のお昼もお菓子だな」
苦笑して、涼真も電話を切った。
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