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第二章・15
結果、涼真は3日間の残業を被った。
例のデザインに、手を加えるためだ。
そのうちの2日は、会社に泊まった。
「すみません、武藤さん。すみません」
ひたすら謝る瑞が、涼真には痛々しい。
「いいんだって、気にしないで。白河くんは、どっちかといえば被害者なんだから」
案の定、昼休みには甘いお菓子をせっせと運ぶ瑞だ。
「これも、夜中に作ったの?」
「武藤さんが頑張っているのに、僕だけ寝るなんて」
堅物だなぁ、と笑いつつカップケーキをかじった。
甘い。
けれど、どこか塩っぱいスウィーツ。
瑞の涙が、隠し味になっているせいだ。
それが悲しい涼真は、ひとつ瑞に提案をした。
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