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第三章・2

「僕なんかの、どこがいいんですか?」 「強いて挙げれば、素直で謙虚なところ、そしてちょっぴり勝気なところ、かな」  頬が、耳がどんどん熱くなる。 「付き合ってくれ。俺と」  もう、断る理由などなかった。 「……はい」  柔らかな月明かりの下で、稀一は優しいキスをくれた。 「俺の部屋、寄ってく?」 「……ええ」  

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