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第三章・23
「でも」
あの仕打ちは、いくらなんでもひどい、と思った。
稀一さんのことは、愛している。
今でも。
だからこそ……。
蒼生は一つの決意を胸に、友人の一人に電話を掛けた。
同じテニスサークルに所属する、同じΩの親友だ。
「あのさ、僕、妊娠しちゃったみたいなんだ」
「嘘! マジ!?」
「でもね、病院に行ってみたら、想像妊娠だった、ってオチ」
「何だよ、もう。驚かすなよ」
「それで、頼みがあるんだけど」
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